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雛人形
公開日:2025.12.02 | 最終更新日:2025.11.17

雛人形の値段の違いはどこ?”ピンからキリ”の

はじめに

 

雛人形の値段は「数万円〜数十万円」まで幅が広く、初めて選ぶ方は必ずこう思います。

 

  • 「見た目は似ているのに、なぜ値段が違うの?」
  • 「高い雛人形は何が違うんですか?」
  • 「価格差の理由を知りたい」

 

実は、雛人形の価格差には 明確な理由 があります。

専門店の視点から“ピンからキリ”の本当の理由を、やさしく分かりやすく解説します。

 


 

 

1. 一番大きな価格差は「着物の生地」

 

雛人形の値段に最も影響するのが 着物の素材と織り です。

 

✔ 高価な雛人形に多い特徴

 

 

  • 正絹(しょうけん)=絹100%
  • 西陣織・京都の伝統織物
  • 柄の細かさ(織りの密度)
  • 色に深みがある
  • 裏地まで本絹を使用

 

絹は光沢が柔らかく、見た瞬間の“奥行き”が全く違います。

一方、手頃な価格帯ではポリエステルが中心で、

色の深み・質感・立体感に大きな差が出ます。

 

1-2. 着せ付けの美しさ・縫製の丁寧さでも価格が大きく変わる

 

実は、雛人形の価格を大きく左右するのは、

“生地そのもの”だけではありません。

着物の着せ方・縫製の丁寧さ・見えない部分の仕立ても、

値段に直結する重要な要素です。

 

✔ 価格が高い雛人形の特徴

 

 

  • 袖の内側までしっかりと生地を使い、丁寧に縫製されている
  • 裏地の処理が美しく、ほつれがない
  • 着物の重ね(十二単のような層)が美しく整っている
  • 前だけでなく“後ろ姿まで綺麗”に仕上げてある
  • 着崩れしないよう細かく調整されている
  • 正しい着物の作法に沿った「着せ付け」になっている

 

特に、お人形を後ろから見たときに

着物の重ねが綺麗なアーチ状に広がっているかどうかは、

職人の力量がそのまま表れるポイントです。

見えない部分の手間や丁寧さは、

写真だけでは絶対に分からない部分ですが、

価格差が最も出やすいところでもあります。

 


 

 

2. 「お顔」も価格を決めるポイント

 

雛人形のお顔には大きく2種類あります。

 

  • 本練のお顔:桐の木のおがくずを固めて製作
  • 一般的なお顔:石膏を型抜いて製作

 

本練のお顔は、

表情の柔らかさ、奥行き、雰囲気の“深み”が違い、

一点ものの価値が価格に現れます。

 


 

 

▼【追記】本練のお顔は店頭に“ほとんど並ばない”

 

ここが重要ポイント。

本練のお顔は非常に希少で、生産数が少ないため、お店の店頭に並ぶことはかなり稀でし、湿度が少ないとお顔に

ひびが入ったりと管理が難しくなっています。

そのため、実際の店頭に並んでいる雛人形の多くは

石膏のお顔 が中心。

 


 

 

✔ 結論

 

「店頭にある雛人形同士では、お顔による価格差はそれほど大きくない」

大きな値段の差は

着物・屏風・素材・職人ブランド

によって生まれることがほとんどです。

 


 

 

3. 飾り台・屏風・小物の質で大きく変わる

 

雛人形は「本体」だけでなく、その周りの小物にも価格差が出ます。

 

✔ 高価なセットの特徴

 

 

  • 本金箔・本金粉を使った屏風
  • 木材を使ったしっかりした飾り台
  • 蒔絵(まきえ)など伝統技法

 

特に屏風は、飾った時の“全体の雰囲気”を大きく左右します。

ここにこだわると、価格も見た目の格もぐっと上がります。

 


 

 

4. 職人(人形司)のブランド力

 

雛人形の世界にも“作家性”があります。

 

  • 京都の名工
  • 皇室献上歴のある工房

 

など、職人の技術力・歴史・ブランド価値が価格に反映されます。

美術品と同じで、

「誰が作ったか」 は大きな価格の相違の一つです。作家それぞれにこだわりがあるので

ただ単に「●●さん(作家名)」が作ったから高い

というわけではなく、「●●さんには▲▲▲といったこだわりがあるので他のお人形より

お値段が高い」といったようになっています。

 


 

 

5. 「高いから良い」「安いから悪い」ではない

 

これは絶対に覚えておいてほしいポイント。

 

✔ 価格=満足度ではない

 

 

  • ここまで説明したのはあくまで値段の違いです。
  • 高い値段の雛人形が必ずしもあなたに合うとは限りません。

 

大切なのは「その家に合うか」「その子に惹かれるか」

ここが価格よりずっと重要です。

 


 

 

6. 「ピンからキリ」に見える本当の理由

 

一言でまとめると、こうです👇

 


 

 

■ キリ(手頃な価格帯)

 

 

  • ポリエステル生地
  • シンプルな小物
  • 装飾の作りが簡易的
  • 軽く扱いやすい

 

 


 

 

■ ピン(高価な価格帯)

 

 

  • 正絹・西陣織
  • 本金仕様の小物・屏風
  • 職人の工房ブランド
  • 素材・技・仕立てに一切の妥協なし

 

 


 

雛人形の価格差は、

「素材」と「技術」と「職人性」 の差です。

 


 

 

まとめ:値段には理由がある。でも最後は“好み”

 

雛人形の値段の違いには、

着物・お顔・屏風・職人など、

きちんとした理由があります。

しかし、最後に大切なのは──

✨ “この人形いいな”と思えるか

✨ 私の好みに合っているな

✨ 毎年気持ちよく飾れるか

この3つです。

 

人形のガリバーでは専門用語は使わず、わかりやすい単語で説明しています。
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